『伊豆の踊り子』を読んで

今年の目標の一つに「古典を読む」を掲げたので、何を読もうかなーと考えて、先日図書館に行きました。

夏目漱石、太宰治それとも三島由紀夫・・・

色々迷いましたが、ここはやはり我が高校の大先輩である川端康成大先生の『伊豆の踊り子』を読むことにしました。

伊豆の踊子 (新潮文庫)

• 作者: 川端 康成
• 出版社/メーカー: 新潮社
• 発売日: 1950/08
• メディア: 文庫

 

高校生の時に読んで以来と思いますが、改めて感じたのは、インターネットは勿論、ＴＶも無い時代の本の表現力は今と大きく違うということです。

恋をした踊り子に本を読んであげる際、彼女が顔を寄せてきたシーン

「この美しく光る黒眼がちの大きい眼は踊り子の一番美しい持ちものだった。二重瞼の線が言いようなく綺麗だった。それから彼女は花のように笑うのだった。・・・」

現代はあまりにも映像の情報が多く、人の想像力が明らかに劣ってきていると思うのですが、この頃の作品は、文字だけで人の頭の中に映像を浮かべる必要があるので、表現が繊細かつ美しいと思いました。

また、作品の題材の若者の一人旅についても、大学時代に北海道に行った一人旅の時のことを思い出し、時代は違いつつも、一人旅の場合、旅先で素直になれる気持ち、また、普段と違う自分を演じる気持ちが思い出され、懐かしい感じがしました。

短い作品なのですが、高校の時に読んだ時より、深みを感じた作品でありました

 

 

コメント 11

この表現って、今の本じゃ全くみかけないですよね～
たった２行なのに、女性の姿を完璧に頭に浮かべることが
出来ます。
わたしも、本を読まなくちゃ！同じく・・・伊豆の踊り子は
中学生ぐらいで、なーんとなく読んだくらいで　オトナでないと
解らないかもですね＾＾
by よっちゃん (2009-01-31 20:09) 

私、読書はあまり得意ではないですが
この本は国語の時間に読んだ事あります。
私も改めてじっくりと読んでみたいです。
by masa (2009-01-31 20:41) 

少し昔の人の書いた小説は、今の感覚で見ると
理解しがたい部分と、もうちょっとここはこうしたほうが･･･。と
突っ込みたくなる部分が多く、ついつい途中で読むのを
やめてしまいます。

でも、伊豆の踊り子･･･。宗弘さんのレポを読んで
また読んでみようと思いました。

川端さんの小説はありませんが、
著作権がなくなってしまった作品は、
ネットでも読む事ができるようになっています。
http://www.aozora.gr.jp/index.html
ご存知でしたらごめんなさい。
よかったら、見てみてくださいね。
by mahina (2009-02-01 00:36) 

今は小説の中の世界でも
携帯電話やネットは当たり前になってるもんね。

私もたまには古い作品を読んでみるのも良いかもなー。
学生の頃、面白く感じなかった作品も　
この歳になればいろいろ感じることが出来そうだよね　(σ・ω・)σ
by yuka (2009-02-02 13:16) 

お久しぶりです＾＾
古典文学、久しぶりに読みたくなりました。
今だったらまた違った気持で読めそうですね＾＾
by みるみる★ (2009-02-02 22:44) 

よっちゃん　　コメントサンキュー

はっきり言って昔読んだのに、筋は全く覚えてませんでした。
でも、昔読んだときに比べ、人生経験の積み重ねが全く違うので、読んだときの印象も全然違うとあの頃と全然違うと思います。
しかし、文字だけの勝負ってやっぱり大変だなー
by y-hiro777 (2009-02-02 23:00) 

ｍａｓａさん　コメントありがとうございます

本棚にひっそりとある本も改めて読んでみると、昔と違った印象を受けるかもしれません。
読書って、書き手が創り上げるだけでなく、読み手も創り上げてるんですよね。
by y-hiro777 (2009-02-02 23:02) 

ｍａｈｉｎａさん　コメントありがとうございます

そして素晴らしいサイトの紹介ありがとうございます。
本サイトは知りませんでした。早速、ブックマークしました。
紹介いただいた青空文庫から読んで、感想をＵＰしたいと思います。
by y-hiro777 (2009-02-02 23:07) 

ｙｕｋａさん　コメントありがとうございます

そうですね。たまには古典も現代文学と違う味があって新鮮だと思います。うちの子どももそろそろ古典を習う時期で、改めて親としても読んでみたいと思っています。

by y-hiro777 (2009-02-02 23:10) 

みるみる★さん　コメントありがとうございます

沖縄の海が見える場所でゆっくりと読書に耽るなんて、素敵ですよね。
憧れちゃいます。
沖縄の古き文学を紐解くのもなかなか興味が湧きそうですよね。
by y-hiro777 (2009-02-02 23:12) 

poriichiさん　ご訪問＆nice!ありがとうございます
by y-hiro777 (2009-02-04 00:26)